

当センターは2021年4月1日の開設から6年目を迎えました。開設1年目は新型コロナウイルス感染症によるクラスター対応や治療施設支援にあたりながら、初期研修医感染症特化コースやオンライン勉強会など教育活動もほそぼそと開始しました。提携していただいたメディカル・プリンシプル社のご協力も得て当センターの広報活動を行い、感染症フェローシッププログラムを開始するための準備を進めて参りました。 2年目には当院呼吸器内科の支援のもと井手昇太郎先生が副センター長として着任し、感染症専攻医1期生3名を迎えてNagasaki ID Fellowshipが本格始動しました。また長崎県委託事業として、感染症専門医療職の不在する県内中小医療機関を対象とした「地域医療機関における感染症人材育成事業」を令和6年度までの3年間実施し、合計26医療機関、13高齢者施設の372名の医療職に研修を行いました。あわせて重症感染症診療のレベルアップを図るハイブリッド研修会を3回開催し、多くの医療従事者から高い評価をいただきました。これらの事業は令和6年度で終了しましたが、その礎のもと令和7年度からは地域医療機関と高齢者施設の連携強化事業を新たに受託し、当院感染制御教育センターと協働して地域の感染症対応力強化に努めております。

令和6年度には文科省の高度医療人材養成拠点形成事業「次世代を紡ぐSDGsな感染症医療人材と研究者の育成」に採択され、医学部臨床感染症学講座、臨床疫学講座、感染制御教育センター、臨床研究センターと感染症臨床研究・教育ユニットを形成、次世代を担う学生・大学院生・若手医師の研究活動・教育支援に取り組んでいます。これまでに20名近くの学生が研究に従事するようになり、研究成果を学会で発表する学生も増えてきています。また、今年度からは医学部臨床疫学講座・当院臨床研究センターとも協働し、診療データを活用したデータベース研究促進の取り組みにも着手したところです。更に、医学部先端医育センターとの連携による診療参加型臨床実習の充実も進め、医学生の臨床能力向上を図るために新たな医学教育の取り組みに、新たな観点で貢献して参りたいと思います。 感染症フェローシッププログラムは、日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野やフィリピンのJose R. Reyes Memorial Medical Centerなど国内外の協力施設のご支援も得て充実を続けています。令和7年度には菊地太郎先生を新たに4期生として迎え、3期生の川瀧先生はフィリピンでのレプトスピラ症アウトブレイク対応やレイテ島での住血吸虫症診療など海外での実地研修を経て2年間の研修を修了し、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器内科学分野で本格的に研究活動を開始しています。今年度には新たに2名を迎え、現在3名のフェローが研鑽を積んでいます。専門医取得支援では、令和7年度に2期生の中西陽祐先生が日本感染症学会感染症専門医を取得され、当センター開設以来合計14名の感染症専門医育成に関わりました。修了生は本院はじめ県内外の大学病院、医療機関、保健行政機関、海外NGOなどで活躍しています。また昨年には初期研修医感染症特化コースの伊藤寛人先生が、日本感染症学会西日本地方会・日本化学療法学会西日本支部総会で優秀賞を受賞するなど、若手の活躍が続いています。 令和6年12月には感染制御教育センター、国際感染症予防診療センター(旧感染症内科)と当センターが統合し、内科系診療科として総合感染症科が開設されました。当センターとして今後の感染症診療、研究、教育の更なる発展に貢献して参ります。 結びとなりますが、当センターの活動は院内外の多くの皆様方からの温かいご支援のお蔭で成り立っているものと改めて深く感じております。心より感謝申し上げます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど何卒宜しくお願い致します。
長崎大学病院総合感染症科・感染症医療人育成センター
センター長 古本 朗嗣
青雲高等学校卒業
鹿児島大学医学部医学科卒業
長崎大学医学部附属病院熱研内科(感染症内科)
市中関連病院のローテーション
長崎大学医学部歯学部附属病院感染症内科医員
長崎大学熱帯医学研究所臨床感染症分野(助手)
Department of Microbiology. The University of Iowa
リサーチフェロー
長崎大学病院感染症内科(助教、講師)
長崎労災病院感染症内科(部長)
十善会病院感染症内科(部長)
長崎大学病院感染症医療人育成センター 教授・センター長
日本内科学会内科認定医、総合内科専門医、内科指導医
日本感染症学会感染症専門医、指導医、評議員
ICD(日本感染症学会認定)
日本呼吸器学会呼吸器専門医
厚労省認定臨床研修指導医、プログラム責任者
医学博士