褥瘡管理が
大切にしていること

褥瘡管理看護師長

褥瘡管理の紹介

 褥瘡発生のリスクが高い院内の患者に対して、横断的に活動し病棟看護師や多職種間と連携を図り、適切な対策を行うことで褥瘡を予防し治療を実践することです。 長崎大学病院看護部は専従看護師1名と専任看護師1名でその役割を担っています。


褥瘡管理の主な役割

  • 病棟スタッフからの褥瘡予防に関する相談
  • 褥瘡の処置方法に関する相談
  • 院内の看護師の教育やマットレスなど体圧分散寝具の管理
  • 褥瘡データの整理

大切にしていること

 「褥瘡」は適切な対策を行うことで予防でき、治すことができるようになりました。 当院の入院患者は新生児から高齢者と年齢の幅が広く、主な疾患のほかに複数の既往があるなど背景も多様です。加えて、入院患者の3割程度は、動けない、やせていて骨が出ている、皮膚が乾燥している、栄養状態が低下しているなど褥瘡発生の危険因子をもっています。

 患者のところに赴き、必要時はカンファレンスを行い、病棟スタッフとともに個々に合った褥瘡対策を考え共有しています。患者の日常の動作を観察し、また会話することによって得られた情報から、マットレスの選択やクッションの使用方法、スキンケアや栄養などについて、より必要な方法を選択し提供しています。その際、患者の動けない、痛いなどの苦痛が少しでも和らぐことを優先し、安楽な方法がないかと心がけています。また、褥瘡が発生しやすい部位は、寝衣やおむつ等をはずさないといけないことが多く、羞恥心を抱くところでもあるため、安心してケアを受けて頂けるよう、環境づくりにも配慮しています。

 褥瘡対策には多様な側面があるため、看護師一人では達成することはできません。一人の患者に多くの看護師が関わるため、それぞれの看護師がスキルアップし、適切に看護をすることが求められます。さらに看護師だけではなく、医師や管理栄養士、薬剤師など多職種の人たちと協働し、入院から在宅に至るまでサポートしていく必要があります。
褥瘡は看護ケアの質の評価の指標の一つでもあります。「看護の力」を発揮し、褥瘡対策を行い、看護部の理念である「どんなときも安心して信頼を得られる看護を提供できる」ように、今後も取り組んで行きたいと思っています。