地域医療連携センターが大切にしていること

地域医療連携センター

地域医療連携センター看護師長
山口 真美

地域医療連携センターの紹介

 地域医療連携センターは、『おもいをつなぐ』の理念のもと、患者さん・ご家族の“おもい”に寄り添い、退院後の生活における「患者の目標」を軸とした療養生活が送れるよう、院内外の多職種・多機関と連携協働しながら、退院支援・在宅療養支援を実践している部署です。




地域医療連携センターが大切にしていること

 当院地域医療連携センターは、2003年に開設され、21年が経過しました。その間、看護を取り巻く環境も年々変化し、医療提供体制も地域包括ケアシステムのもと地域完結型医療へと転換されてきました。そのような転換期の中でも、私たち地域医療連携センター看護師が常に大切にしていることは、当センター理念でもある『おもいをつなぐ』ということです。



 地域医療連携センター看護師の役割には、主に<実践><システム構築><教育>の3つがあります。 <実践>は、入院患者に対する在宅療養移行支援、転院支援、外来患者に対する療養支援を行っています。<システム構築>は、退院支援が必要な患者さんすべてに退院支援が実践できる入退院支援プロセスを構築しています。<教育>は、退院支援、療養支援に関する院内看護師への教育です。


 地域医療連携センター看護師として患者さんやご家族と関わるうえでは、患者さん、ご家族への意思決定支援が重要な側面となっています。意思決定支援においては、まずは意思を表明していただけることが大事ですので、心を開いてもらうために、その人に合ったアプローチにより支援を行っていきながら、患者さん本人が自己決定できるよう支えることを心がけています。患者さんの持つ希望を支持しつつ、寄り添いながら支援する中で、患者さんのお気持ちが理解でき、思いを共有できた時や、患者さんご自身がこれからの生き方を自分で選択し決めることができた時は、看護師としても喜びややりがいを強く感じられる場面です。そしてこの患者さんの思いは、関わる多職種とも共有され、病院から地域へとつながれていくことで、患者さんの思いを軸とした患者中心の看護となっています。

 私たち地域医療連携センター看護師は、患者さんの人生における大事な局面に関わることも多く、より質の高い支援の提供を目指しています。朝のミーティングの時間は、テーマを決めてワークを実施していますが、『看護を語る場』でもあり、自分たちがそれぞれに実践している看護の意味付けや本質的な気づきを得ることにつながっており、そういう時間を設定し共に語り合うことをとても大切にしています。

 退院支援は看護そのものであると私たちは考えています。これからも地域医療連携センター看護師としてのやりがいを持ちながら、患者さんお一人お一人と向き合い、患者さんの目標の実現のために思いに寄り添える看護師でありたいと思っています。